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シニアテニス両手打ちでの挑戦記 60歳代半ばにしてエルボーをこじらせ片手では打てなくなりバック、フォアーとも両手打ちに替えての試行錯誤、全日本ベテランテニス選手権出場目指してのつれづれ。

ていちゃん
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    かっちゃんの結婚

    かっちゃんの結婚式に北九州八幡まで出かける。
    都市高速をはじめて枝光まで行くと、そこで都市高速は中断されてスペースワールドの側に降り立つ、目と鼻の先に海の見える迎賓館が目に付いた。瀟洒な建物で南国風のたたずまいをかもちだしており、一見式場とは感じさせない雰囲気があった。
    二階のチャペルで型どうりの式が終わると庭の芝生までなだらか階段が続いており、そこに皆がハートの風船を持って集まっている。何が始るのかと思っていたら、一斉に風船を飛ばすセレモニーが行われる。真夏の日差しは容赦なく照り付けていたが、参加者の熱気はそれを凌いでいた。
    披露宴会場は天井も鏡で覆われた華やかな雰囲気で、かっちゃんらしいアイデアも見え隠れしていた。

    かっかんはここ数年の間に信じられない不幸が重なっていた。連れ添いの兄である父親と母を相ついでなくしてから彼の笑顔が消えていた。唇をぎゅと引き締め無表情だった。
    仏事で会うたびに悲しみに耐えているのがわかり辛かったが、通夜に、彼の友達たちが遅くなってたくさん駆けつけてきたのには、驚きながらも彼の人柄の一面を垣間見た思い出ほっとしたものだ。

    新婦との出会いはこの「海の見える迎賓館」だという。友人の結婚式で東京から来ていた彼女と知り合ったそうだ。イケメンのかっちゃんらしい早業で、同じ思い出の場所でゴールインするのも彼らしいと思った。
    今日もたくさんの友達や同僚がはせ参じており、そこまでやってやるのかと思いたくなるほどかくし芸を披露したし、上司の祝辞も素晴らしかった。
    両親に晴れ姿を見せたかったと言うかっちゃんの笑顔は真夏の青空のようにすがすがしく、喜びと感謝の気持ちを素直に表していた。
    こちらも久しぶりに開放された気分になって、弱いお酒を頑張ってみた。

    そういえば俺もこの枝光に二十歳を境に10年くらい住んでいたのだ。セピア色昔の話だ。
    スペースワールドも海の見える迎賓館も当時は製鉄所の工場があった。たしか四製鋼とかいっていたよう気がする。東田溶鉱炉から出来立てのどろどろの鉄を貨車一台の鍋にいれて四製鋼まで運び鉄の固まり造っていたはずだ。線路越しに工場の中を覗いていた。

    テニスをかじったのもその時だ。同好会の募集があり、ラケットとボールを買って出かけた気がする。
    高級社宅街の一角にテニスコートが一面あった。それから大谷にもテニスコートがあったが、何回やったか知れている。ラリーが出来た記憶もないし、練習試合の記憶ももとんどない。
    中学のときに軟式をしょうしょうかじって、なぜか何時か硬式をやりたいというのが、夢だった。
    同好会もとびとびで、メンバーも数えるくらいになり、テニスらしいテニスは練習らしい練習の記憶にないが、興味だけは益々深まっていった。

    連れ合いと知り合ったのも、その募集のとき一緒に来たのが縁の始まりだった。良きつけ悪きにつけ北九州には青春のあまづっぱさが詰まっている。




    観戦 | 投稿者 ていちゃん 23:34 | コメント(0) | トラックバック(0)