2009年02月11日
「シートン動物記」ロボー
晴れ、昨日今日とテニスを休んだので疲れを癒すことが出来た。
朝早く目覚めたので久しぶり本を読む。「シートン動物記」の中の最初にある(ロボー)を読んだ。テレビで灰色狼の群れをひきいる王様(ロボー)の捕獲の場面をたまたま見たこともあって、古本屋で100円で買った世界教養全集の中に「シートン動物記」のあるのを覚えていたのだ。
文明、科学の発展ともに便利な世の中になったが、争いは絶えず、貧富の差は広がり親子の情は薄くなって絆はぎすぎすしたものになっている。それに比べると動物の世界では今も昔も変わらず、人間の迫害にも何も言えずにたんたんと黙々と生きており、ペットにすれば愛情を注いだ分だけ応えてくれて裏切ることがないから、飼っている人が増えている時代でもある。
メキシコにある厖大な牧牛地域での牧牛を襲う狼の群れと牧童との知恵比べの物語だ。懸賞金のかかったロボーを捕獲する為に一攫千金を目指して入れ替わりで来る捕獲者にダメージを与え続けて、誰も手におえず王者として恐れられていた。
そこにシートンが現れて試行錯誤の上で巧妙にわなを仕掛けて妻と見られていた白銀の狼(ブランカ)を捕獲して殺した。
ロボーのいなくなったブランカ(白)をさがしまわる悲しげな吼え声がきかれたそうだ。
『いまはもう、その声にはまぎれもない悲しみの音がこもっていた。それはもういつもの高い、いどみかかるような咆哮ではなかった。長い哀れな、まぎれもない号泣の声であった。「ブランカ!ブランカ!」そういって叫んでいるようでもあった。そうして、日がとっぷりくれた頃には、ロボーはわたしたちがブランカに追いついた箇所からそう遠くないところにいるのに、わたしは気がついた。とうとう彼はその足跡を発見したらしく、わたしたちが彼女を殺した地点に彼がきたときには、彼の胸の破れんばかりの号泣の声は、哀れで聞いていられなかった。それは、わたしのとうてい想像もできなかったほど悲しいものであった。情け知らずのカウボーイたちまでが、それに気がついていうのであった。「いままで狼があんなふうに咆えているなあ、聞いたことがねえのう」ロボーは演じられた悲劇をはっきり知ったらしかったーーーブランカの血がその死に場所を汚しているのだから。』
ロボーはブランカの死体をひきづりまわして臭いを付けた罠に同じようにかかり、捕らわれたが最後まで王者としての誇りを持ち、与えらた水と肉には振り向きもせず、翌朝、老王狼は死んでいた。
『わたしはロボーの頸から鎖をはずし、カウボーイの一人に手伝ってもらって、彼をブランカの屍体のおいてある小屋へはこんでいってやった。そうして、わたしたちがロボーをブランカのそばへおくと、牛飼いの男が声をたてていったーー「ほれよ、お前はおっかあのそばえきたがっていたが、これでまたお前たちはいっしょだぞよ」』
朝早く目覚めたので久しぶり本を読む。「シートン動物記」の中の最初にある(ロボー)を読んだ。テレビで灰色狼の群れをひきいる王様(ロボー)の捕獲の場面をたまたま見たこともあって、古本屋で100円で買った世界教養全集の中に「シートン動物記」のあるのを覚えていたのだ。
文明、科学の発展ともに便利な世の中になったが、争いは絶えず、貧富の差は広がり親子の情は薄くなって絆はぎすぎすしたものになっている。それに比べると動物の世界では今も昔も変わらず、人間の迫害にも何も言えずにたんたんと黙々と生きており、ペットにすれば愛情を注いだ分だけ応えてくれて裏切ることがないから、飼っている人が増えている時代でもある。
メキシコにある厖大な牧牛地域での牧牛を襲う狼の群れと牧童との知恵比べの物語だ。懸賞金のかかったロボーを捕獲する為に一攫千金を目指して入れ替わりで来る捕獲者にダメージを与え続けて、誰も手におえず王者として恐れられていた。
そこにシートンが現れて試行錯誤の上で巧妙にわなを仕掛けて妻と見られていた白銀の狼(ブランカ)を捕獲して殺した。
ロボーのいなくなったブランカ(白)をさがしまわる悲しげな吼え声がきかれたそうだ。
『いまはもう、その声にはまぎれもない悲しみの音がこもっていた。それはもういつもの高い、いどみかかるような咆哮ではなかった。長い哀れな、まぎれもない号泣の声であった。「ブランカ!ブランカ!」そういって叫んでいるようでもあった。そうして、日がとっぷりくれた頃には、ロボーはわたしたちがブランカに追いついた箇所からそう遠くないところにいるのに、わたしは気がついた。とうとう彼はその足跡を発見したらしく、わたしたちが彼女を殺した地点に彼がきたときには、彼の胸の破れんばかりの号泣の声は、哀れで聞いていられなかった。それは、わたしのとうてい想像もできなかったほど悲しいものであった。情け知らずのカウボーイたちまでが、それに気がついていうのであった。「いままで狼があんなふうに咆えているなあ、聞いたことがねえのう」ロボーは演じられた悲劇をはっきり知ったらしかったーーーブランカの血がその死に場所を汚しているのだから。』
ロボーはブランカの死体をひきづりまわして臭いを付けた罠に同じようにかかり、捕らわれたが最後まで王者としての誇りを持ち、与えらた水と肉には振り向きもせず、翌朝、老王狼は死んでいた。
『わたしはロボーの頸から鎖をはずし、カウボーイの一人に手伝ってもらって、彼をブランカの屍体のおいてある小屋へはこんでいってやった。そうして、わたしたちがロボーをブランカのそばへおくと、牛飼いの男が声をたてていったーー「ほれよ、お前はおっかあのそばえきたがっていたが、これでまたお前たちはいっしょだぞよ」』