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シニアテニス両手打ちでの挑戦記 60歳代半ばにしてエルボーをこじらせ片手では打てなくなりバック、フォアーとも両手打ちに替えての試行錯誤、全日本ベテランテニス選手権出場目指してのつれづれ。

ていちゃん
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    九州選手権一般セミファイ小山対井上

    土曜日、終日雨。
    16日木曜日は相手棄権のため、ぼくは終日同世代の試合を観戦することが出来た。
    昼も大きく回って腹もすいたので駐車場に歩を進めていたが、近くにある1、2、3番コートをのぞいて見た。1番コートでは一般とおぼしき選手のラリーがいかにも激しく見えた。2,3ショットを見てから帰ろうと思っていたが、ベンチの日陰に席を求めて少し見ようと思った。ファーストは46ネームボードの上段に書いてある小山が負けたらしい。ダブルフォールトでセットを落とすと大声でわめきチラシながらラケットを思い切り通路まで投げ捨てた。こんなシーンはプロの世界でもあまり眼にしたことがない。
    ぼくは手にしていたプログラムを開いて小山という名前を探した。なんと本戦のナンバワンでJTAランキング32とあった。下段の井上は本戦WC(ワイルドカード 主催者推薦)井上貴博 亜細亜大学とあった。身長がありきりっとした若者で、そのサービスに釘付になったのかもしれない。フラットで思い切り叩く、普通の音ではなかった。

    ボールが割れるか、ガットが切れるか、ラケットが折れるか、オーバーかもしれないがぼくにそんな印象を与えたのは事実だ。レッスンで見るような基本に忠実なフォームから互いに目の覚めるような豪快なショットを繰り出して魅了していた。
    プロの試合を見るような錯覚に陥ったし、そうかもしれないレベルの選手が九州選手権の一般に出ているのだとも思った。
    その打球音に魅せられたのか、そっとベンチに座るひとや、立ち見の人たちが群がりはじめて、生きづまる熱戦を静かに見守っていた。そして小さく拍手した。
    小山は相変わらず自分のミスに怒りをあらわにして罵倒してラケットに当たった。
    あるときは相手のコートにほおり投げたりもした。井上はその辺を理解していたのか、黙って拾って手渡していた。
    でも小山のフォアーの、セミオープンスタンスからのジャンピングのショッはかっこよく、一発で何度も決めていたが、バックの両手打ちが単調で、少しでも甘くなると井上から攻められた。小山がワンダウンのまま終盤を迎えて45 46で終わるかと期待したのだが、小山は1シードの意地を見せてそこから食い下がり、何とか相手のミスを誘って55と互角に戻したが、そこで力尽きた。ブレークして56としたサービスにまさる井上は弾丸サービスを要所に決めて57と振り切り勝利した。
    帽子をとって素直に握手した瞬間にまたも小山はラケットに当たりちらし、またも通路まで投げ捨てた。



    後で分かったことだが、これは一般の準決勝の戦いであった。小山は32歳、井上は23歳だった。

    日記 | 投稿者 ていちゃん 22:22 | コメント(0) | トラックバック(0)